導入事例

「アンバサダー」を起点とした社内コミュニケーション活性化が、組織の心理的安全性を後押し。勇気をもってチャレンジできる組織へ。


左)ワークスタイルデザイングループ ​ユニフォームプロデュースDiv. ​​プロダクト課 リーダー 柴田康平様
右)コーポレートデザイングループ ​ブランドマネジメントDiv. ​人財・広報課 広報担当 三島菜々子様​​​
  • 会社名 :オンワード商事株式会社
  • 従業員数:約300名
  • 事業内容:BtoB向けアパレル事業

「ヒトと地球(ホシ)の、明日(あした)の笑顔をデザインしつづける。」をパーパスに掲げ、法人向けにブラン ディングやセールスプロモーション、CSR など、お客様の課題解決へのご提案を行うオンワード商事株式会社。業界を取り巻く社会環境の変化に対応していくため、2022年、新たにパーパスを制定した同社は、組織の心理的安全性を高める目的でPRAISE CARDを導入。その積極的な運用の結果、さまざまな効果を実感しているといいます。

では具体的に、どのようにPRAISE CARDを活用し、どのような効果が生まれているのでしょうか。三島菜々子様、柴田康平様にお話をうかがいました。

 


パーパス・バリューを軸にしたコミュニケーションによって浸透ができないかと導入を検討

――PRAISE CARD導入前に持たれていた、御社の課題はどのようなものでしたか

三島:もともと会社として、持続的な成長を目指し、組織の求心力を高めるためにパーパス・バリューの策定に取り組んでいました。私は今、PRAISE CARDを社内で運用する事務局を担当していますが、その当時はまだ別の部署にいて、個人的には非常に縦割りの組織だと感じていました。部署が変われば隣の島のこともわからない、そんな状況を変えたいという想いがありました。

柴田:僕も縦割りというのは感じていました。横のつながりも部門ごとに完結していて、体育会系のように上の人の言うことに下がついていくという感じでした。僕は体育会系出身なのであまり違和感なく馴染んでいたのですが、若手がどんどん入ってくる中で、どうも一枚岩になれていないような、ギャップを感じるようになりました。今の若手は上の世代の人が思っている以上に、仕事の意義や目的、自分にとってそれは楽しいのか、ということを非常によく考えているし、だからこそ転職市場も盛んです。一つの会社にずっといる前提ではないですよね。その中で、どうやって人を根付かせるか、という課題があったと思います。

コロナも大きなきっかけでしたね。かつては全社に声をかける忘年会や表彰式後のパーティーなどコミュニケーションの場があったのですが、コロナですっかり減ってしまい、会社のアットホームな雰囲気や文化が下の世代に伝わらなくなっていました。

三島さんが言っているパーパス・バリューについては、どうしても会社側が決めたものという感じは拭えず、なかなか浸透しないのではとみんな思っていましたね。

 

――そのような中、PRAISE CARDを導入する決め手となったのは何だったのでしょうか

三島:PRAISE CARDは、「自分らしさで活躍できる世界へ」という理念を掲げています。パーパス・バリューを「絵に描いた餅」にせず、社員一人ひとりが自らの意思をもって、前向きに行動できる会社を作っていこうという当社の想いと一致し、導入に至りました。
ただ、正直に言うと、最初は「本当にこれでいいのだろうか」と思う気持ちもありました。ですがトライアルで導入してみると、日々触れるということと、それによって少しずつ社内に楽しい会話が生まれてきたことによって、とても良い活動だと思うように気持ちが変化していました。

また、トライアル後のアンケートを見ると、多少否定的な意見もあったのですが、肯定的な意見もあって。それを見て私の上司が「新しいことは何事も、最初はうまくいかない。否定する人がいても、信念をもって継続すべきだ」と言っていて、それが「これはもう少し続けてみる価値があることなのだ」という後押しになりました。

柴田:僕はそのトライアルに参加して、「みんなが積極的にPRAISECARDを活用したら面白いのでは」という期待感を持ちました。たとえば週末に「今週は頑張っていたな」という部下に向けて上司が「お疲れさん、頑張ったね」というメッセージをさりげなく送ることが出来れば、コミュニケーションのひとつとして役立ちそうだと思いました。

仕事は、常に褒められるわけではないですし、褒めることが出来ないことも多くありますよね。でも大変な思いをして毎日働いて、ちょっとしんどくなってきたときに「今の良かったよ」と言われると、少しほっこりもするし、やる気にもなる。そういうことは結構大事だと思います。それを手軽に実現できるのがPRAISE CARDだった、ということではないでしょうか。

一方で、使わない人も出てくるだろうし、結局一部の人だけが使うという状況になってしまうのでは、という懸念もありました。

 

・策定されたパーパスとバリュー

 

PRAISE CARDのアンバサダー制度を実施し
周りを巻き込むことで楽しい空気感が生まれていった

――御社では実際に、どのようにPRAISE CARDを導入・運用していますか

柴田:基本的には、「この人は頑張っているな」とか「おかげで助かったな」「ありがとう」などと思ったときに、該当する内容のカードを相手に送ります。カードには当社の7つのバリューが入っているので、何かを送ろうと思った時に必ず見て、「この行動はこれに該当するな」などと考えます。それによって、パーパスとバリューの浸透になっています。

三島:社員全員に組織を自分ゴト化してほしいので、そのためには何か参加体験があるといいのではないかと思っています。日常的にパーパス・バリューに触れることは少ないと思いますが、バリューが設定されたカードを贈りあうことで単純接触を増やし、潜在的に会社の方向性を感じるきっかけになればと思います。

日常におけるバリューのタッチポイントである、PRAISE CARDの利用を促進するために、当社では6人の方に「アンバサダー」になってもらい、自身のチームで率先してカードを送るなど、取り組みをリードしてもらっています。また、期間内の「MVP」を称賛するカードを導入したり、新たな独自のカードを設計したりすることも行っています。

柴田:僕は初代の「アンバサダー」をやらせていただいたのですが、本当にやって良かったと思います。というのも、やはり事務局担当者が一人で頑張っているだけでは、全社員で盛り上がっていくのは難しいと思うからです。「アンバサダー」は、持ち回りで全社配信のメルマガを執筆することになっているのですが、それを一度やればもう自分ゴトです。加えて、メルマガはただの報告文書ではなく、個人の考えや趣味などを書くこともできるため、個性が伝わります。それによって、自部門だけでなく全国で「こういう人がいるのか」ということを知るきっかけにもなります。

 

――導入にあたり苦労した点があれば教えてください

三島:私が事務局としてPRAISE CARDの取り組みを推進することになった当初、現場と事務局で大きな熱量の差がありました。私は「こんなに一生懸命考えているのに、どうして伝わらないのだろう」ととても悩みました。悩みに悩んだ結果、自分ひとりではどうにかするのは難しいので、みんなを巻き込んでしまおう、と思い立ち交代制の「アンバサダー」をやってみることにしました。その結果、社内でも「楽しいじゃないか」という空気が生まれてきました。また、「アンバサダー」が集まる定例ミーティングでも肯定的な意見をもらうことができ、私自身の自信にもつながりました。

・毎週アンバサダーが配信しているメルマガの一例

 ・期間内のMVPを称賛するカードを作成

  

 

チャレンジを褒めたり認めたりすることで
新たな取り組みの芽が出る組織に近づいている

――PRAISE CARDの導入によってどのような効果が生まれましたか
また、効果的に活用するためのポイントや留意点があれば教えてください

三島:少しずつ組織文化が変わってきているのは実感しています。もちろん色々な要因があるとは思いますが、縦割りの組織が当初より改善されていると思いますし、ちょっとしたチャレンジを褒めたり認めたりする、それによって新たな取り組みの芽が出る、という組織に近づいていると思います。個人的にも、「これでいいのかな」と思っていた時に意外な方からカードを受け取り、チャレンジを続ける勇気をもらえることがあります。

柴田:コミュニケーションが活発になっているのも間違いないですよね。自分の身のまわりだけではなく、遠隔でカードを贈り合ったりもするので、支店も含めてコミュニケーションがとれるようになったという感じはしますね。それから自分自身も、無意識のうちに良いところを見つけようという意識をするようになったかも知れません。「ありがとう」と思った時に、それをきちんと伝えるためのツールが目の前にあるので、称賛されることだけでなく相手を称賛する機会も増えたように思います。また、普段ならあまり部下を褒めたりするタイプではない上司から「MVP」カードをもらったこともありました。上司のそんな想いに気づくことができたのは、このカードのおかげですね。

「アンバサダー」は、カードを使っていて課題に思うことや改善したいことも話し合うのですが、そうやってその企業に合ったものにアップデートしていくことも、効果的な活用のポイントかも知れません。

三島:そうですね。そして何より、みんなを巻き込むことに尽きると私は思います。巻き込むことにより、色々な人が考えるから色々な視点が発見されて、少しずつ組織課題が解決されるような気がします。

――今後に向けての課題や目標はありますか

三島:PRAISE CARDは、より良い組織を作るための取り組みです。なので、やはり社員全員に組織を自分ゴト化してほしい。「浸透」というとなんだか上から目線な感じがしてしまいますが、社員が納得して自分のものにする、そんな状態にしていきたいですね。まだ常時利用者が80人くらいなので、まずは全体の半数くらいの方が活用している状態を作ることが課題です。もっと巻き込んで、もっと輪を広げていきたいです。

パーパス浸透に悩まれている企業におすすめできるサービス

――最後に、御社と同様の課題を抱えられている企業や、PRAISE CARDに興味を持たれている企業の皆様へメッセージをお願いします

三島:世の中には様々なサービスがありますが、最後はそれをどう活用するかにかかっていると私は思っています。いかに決めてやりきるか。PRAISE CARDの運用サポートメンバーの方々 は、そこまで含めてサポートしてくださるのが他のサービスと比較して大きな違いです。私も含め、同じ課題を抱えるユーザーをつなげて、情報共有しながらどのように活用できるか一緒に考えていくことができます。

柴田:当社は、PRAISE CARDを導入したことでコミュニケーションが増えたことはもちろん、褒める・褒められる機会も増えました。それは社員一人一人のモチベーションになり、組織の人のつながりも強化します。部門間だけではなく全国的にもみんなでコミュニケーションがとれるようになりました。少なくとも、その点の効果は期待できると思います。また、パーパスについての共通認識は、導入前よりも少なからず持てていると思うので、パーパスの浸透に悩まれている企業の方は、試しに導入してみるのもいいのではないかと思います。

 

 

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