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企業理念が社員に浸透しない理由とは

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  • 理念浸透

組織強化と企業理念やパーパス、バリューの浸透は、切っても切り離せないものですが、一方でさまざまな施策を講じているのになかなかうまく浸透していかないという企業も多い。なぜうまくいかないのでしょうか。それは、組織強化における企業理念浸透の本当の価値を見落としているからではないでしょうか。
組織を強くするには、組織における「関係」「思考」「行動」「結果」の質を高め、成功サイクルとして回すことが重要です(詳細記事はこちら)。このうち、関係の質については、別のコラムでお話ししています(関係の質コラムはこちら)。
今回は、思考の質を高めるポイントと企業理念の関係性について考察していきます。

 

ギャップは思考の源泉

人がものごとを思考する(=深く考え始める)のはどのような時でしょうか。それは、ギャップに気付いたときです。たとえば、自社内だけを見て社内の常識や基準で商品開発を進めてしまい、社内では非常に評価の高い商品ができのたに、ふたを開けてみれば全然売れなかった、という経験はないでしょうか。いわゆるプロダクトアウト、市場をまるで見ていない井の中の蛙状態です。しかし、そこで社内の認識と市場のギャップに気が付くと、ようやく「そのギャップを埋めるためにはどうすればよいのか」という思考がまわり始めます。

ギャップを埋めるには、どのような違い(距離感)があるのか等、そのギャップを正しく把握しなければなりません。そのためには、「比較対象」が必要。たとえば家電製品を購入する際にも、A社とB社のカタログを比較することで両社の違い(ギャップ)が明確になる訳で、A社のカタログだけを一生懸命に読んでも、違いを把握することはできません。

同じように、組織において個人が自分の価値観について思考(内省)し、組織の価値観を腹落ちさせ自分ゴト化できるようにするには、意識的に2つの価値観を比較してそのギャップに気付き、ギャップを正しく把握することが肝要だと言えます。

 

企業理念のもう一つの役割とは

では、組織における価値観を自分ゴト化させるために比較すべき2つの価値観とはなにか。それこそが、企業がもっとも大切にすべき価値観を明文化した「企業理念」と、「個人の価値観」です。企業理念を個人の価値観の比較対象として存在させることにより、両者の価値観のギャップを浮かび上がらせ、個人がそのギャップに気付いて思考をまわし始めるきっかけをつくるのです。

これは逆に言うと、企業理念をただ鵜呑みにしてしまうと、組織の価値観と自分の価値観のギャップに気付いて思考しはじめる絶好の機会を逃してしまうことになるとも言えます。本来、掲げられた企業理念はその組織が共通して目指すべき一つの価値観だとしても、個人によってその見え方は少しずつ異なっているものです。そこを、一人一人が自分なりに企業理念の示す価値観と向き合い、自分なりの距離感を把握し、それを自分なりにどう解釈してプロセスに反映させていくのか思考することで、企業理念と自分の価値観を自律的にすり合わせていくことが重要なのです。

よく、従業員が「企業理念は上層部が言っていることだ」と捉えてしまっているのは、まさにこの「思考」が止まってしまっているからです。思考が止まると、自分の価値観とのギャップに気付くどころか無関心になってしまい、企業理念はただの飾りのようになってしまう。まずは個人が漠然とでも「なぜ違和感を感じるのか」と気づき、自分の価値観との距離感や相違点を思考することから始めなければならないのです。

この思考の源泉となるべく、企業理念を内部に存在させることこそが、企業理念浸透の本質的な価値なのではないでしょうか。

しかし、どうすれば企業理念を内在化させ、個人が組織の価値観とのギャップに気付けるようになるのでしょうか。

組織を強くするのに適していると言われる「組織の成功循環モデル」をまわすのに有効なきっかけは「称賛」ですが、企業理念に基づく称賛を繰り返すことは、その価値観に日頃から触れることにつながり、企業理念を内部に「存在させる」ことを後押しするでしょう。また、組織心理学の観点から、自分が他者に贈る称賛の内容は、自分の大事にしている価値観に近いということがわかっています。すなわち、自分の贈る称賛の内容は次第に自分自身の価値観を浮かび上がらせ、これと企業理念のギャップが見えてくる。そして、徐々に思考の質が向上していくのです。

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