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AI時代に本当に必要なのは「与える人」かもしれない

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カテゴリ:
  • コミュニケーション
  • 組織マネジメント

AIの進化により、私たちの働き方は大きく変わりつつあります。
これまで人が時間をかけて行っていた情報収集や資料作成、分析、文章作成などの業務は、AIによってより速く、より効率的に進められるようになりました。
その一方で、多くの企業が新たな問いに直面しています。
AIが業務の効率化を進める時代に、企業の競争力はどこから生まれるのか。知識やスキルの差が縮まりやすくなる時代に、人や組織の価値はどこに表れるのか。
いま、多くの組織では次のような悩みが生まれています。

・言われたことはこなすが、自ら動く人が少ない
・組織変革の推進役が一部の人に偏っている
・管理職が、メンバーを「動かす」ことに疲弊している
・組織活性化を推進したいが、どこから手をつければよいか分からない

こうした課題には共通点があります。
それは、組織がまだどこかで「人を動かそう」としていることです。

 

「人を動かす」マネジメントは、限界を迎えつつある

これまでの組織運営では、指示し、評価し、管理することが大きな役割を担ってきました。もちろん、方針を示し、役割を明確にし、進捗を管理することは今後も必要です。しかし、変化が激しく、正解が一つではない時代においては、「上司や会社が正解を決め、それに従って人を動かす」だけでは限界があります。
これからの仕事では、与えられた正解を実行する力だけでなく、問いを見つけ、周囲を巻き込み、自ら行動する力がますます重要になるからです。
だからこそ、これからの組織づくりで大切になるのは、人を動かすことではなく、人が自ら動きたくなる状態をつくることではないでしょうか。

 

組織を静かに動かしているのは「Giver」かもしれない

この考え方は、澤円氏の著書『The Giver』に通じるものがあります。『The Giver』では、「与える人(Giver)」の重要性が語られています。
組織において影響力を持つ人は、必ずしも役職者や目立つスター社員だけではありません。

• 周囲の頑張りに気づく人
• 相手の良いところを言葉にできる人
• 部門や立場を越えて人と人をつなぐ人
• 相手の可能性を信じ、挑戦を後押しできる人

こうした人たちが、目に見えない形で組織を支えていることがあります。彼らは周囲に安心感を生み、前向きな行動を引き出し、組織の中に信頼のネットワークを広げていきます。 私たちは、こうした存在こそが、これからの組織活性化における重要なキーパーソンではないかと考えています。

さらに重要なのは、Giverは一部の特別な人だけではないということです。多くの人は本来、「誰かの役に立ちたい」「仲間を応援したい」という思いを持っています。 しかし職場では、忙しさや遠慮から、その気持ちを行動に移せないことがあります。
私たちは、こうした人を「隠れGiver」と名付けました。組織には、まだ十分に活かされていない可能性が眠っているのです。

 

「称賛」は、Giverの存在を見える化する

では、Giverや隠れGiverを組織の中で見つけ、増やし、活躍の場を提供するにはどうすればよいのでしょうか。私たちが注目しているのが、称賛です。
称賛とは、相手の価値や強みに気づき、それを言葉にして伝えることです。称賛を受け取った人は、自分では当たり前だと思っていた行動の価値に気づくことができます。

図1:称賛を贈る/受け取ることの価値

さらに、そのやり取りをデータとして蓄積することで、組織内の見えないつながりや、Giverの存在を可視化できます。

BIPROGY・博報堂・博報堂コンサルティングが3社共同で提供するPRAISE CARDは、スマートフォンやPC上でデジタル称賛カードを贈り合えるサービスです。メールや対面での称賛よりも心理的負担が少なく、気軽に称賛し合える環境づくりを支援します。

図2:デジタル称賛カードを贈り合えるサービス「PRAISE CARD」

PRAISE CARDの特徴は、称賛を単なる一時的なコミュニケーションで終わらせず、組織内で交わされる称賛を行動ログデータとして捉えられることにあります。
称賛を「気持ちのよいコミュニケーション」で終わらせるのではなく、組織文化を育む仕組みとして活用するとともに、組織の状態を可視化・把握するためのデータへと変えていきます。

 

与える人が増えると、組織は少しずつ変わる

Giverが周囲に働きかけると、その行動は少しずつ組織全体へと広がっていきます。誰かに称賛された人は、今度は自分も誰かの良いところを見つけて伝えようと思うかもしれません。受け身だった人が、感謝や称賛を伝える側へと変わるかもしれません。
こうした小さな行動の連鎖は、やがて組織文化そのものを変えていきます。他者への貢献が自分自身の働きがいや幸福感につながる――そんな実感を持つ人が増えることで、Giverの輪はさらに広がっていくのです。

もちろん、称賛だけですべての組織課題が解決するわけではありません。
しかし、「人の良いところを見る」「感謝を伝える」「挑戦を応援する」という行動が増えていけば、人と人との関係性は変わります。
関係性が変われば、対話の質が変わる。対話の質が変われば、思考の質が変わる。思考の質が変われば、自ら行動する人が増えていく。
この連鎖こそが、「人を動かす」のではなく、「人が動きたくなる」組織をつくる第一歩ではないでしょうか。

 

AI時代に、企業の差を生むのは「与える文化」かもしれない

AIは知識やスキルの活用を支援してくれます。
しかし、信頼を育て、人が自ら動きたくなる環境をつくることは、人と人との関係性の中から生まれます。 だからこそAI時代に問われるのは、優秀な人材を集めることだけではなく、互いの可能性を引き出し合う「与える文化」をつくれるかどうかです。それが、これからの企業の競争力を左右するのではないでしょうか。
本コラムでご紹介したPRAISE CARDにご興味をお持ちの方は、ぜひこちらよりお問合せください。

 

本内容をご紹介するセミナーを開催します。
セミナーでは、思想と実践の両面からお伝えします。

セミナー開催概要
• タイトル:AI時代、企業の差を生むのは『与える文化』だった
~澤円氏著書『The Giver』から考える、人と組織のあり方

• 開催日時
2026年8月27日(木) 14:00~15:30

• 登壇者
株式会社圓窓 代表取締役 澤 円氏
BIPROGY株式会社 グループマーケティング部 小谷野 圭司
BIPROGY株式会社 サービスイノベーション事業部 渡邉 未央

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