人と人とのつながり
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カテゴリ:- コミュニケーション
- 組織マネジメント

レゴブロックで飛行機を作ろうとしてうまくいかなかったときに、その原因は自分自身のブロックのつなぎ方ではなく、ブロックの各ピースの不出来にあると主張する人に私は会ったことがありません。人の集まりである組織がうまくいかない(機能しない)場合には、特定の個人の在り方や振る舞いに原因があると考えがちですが、レゴブロックと同様に原因はつなぎ方、すなわち「人と人とのつながり」にあるケースの方が圧倒的に多いのではないでしょうか。
図1:問題の原因は人と人とのつながり
「人と人とのつながり」に関して、ありがちな課題感をいつくかあげてみます。
①つながりにくい人同士を無理につなごうとしている
②つながってはいるが、つながりが極めて弱い
③つながってはいるが、何となく合わないと感じている
①は価値観が全く異なる人同士をつなごうとすれば、互いに譲れないポイントがぶつかり合い反発します。短期的な解決は困難ですが、イノベーションを起こす際には異なる価値観のぶつかり合いが欠かせないので、必要に応じて時間をかけて解決すべき課題と考えます。
②は「コラム:弱い紐帯の強み」で取り上げましたが、弱いつながりは、新たな視点が欲しいときや思考をジャンプさせたいときなどに威力を発揮します。しかしその「弱さ」ゆえ、つながっていることを忘れてしまい消滅することがあるので、意識的につながりをメンテナンスすることが重要となります。
③は大きな企業・組織においてありがちなケースではないでしょうか。例えば若手社員が「会社や上司、同僚から必要とされていない」と感じて離職してしまうことがありますが、本当に必要とされていないことはまずありません。これは、適切なフィードバックがないために生じた「誤解や思い込み」が原因と考えられます。
本コラムでは、③の原因である「適切なフィードバックがないことで生じる、誤解や思い込み」について深堀していきます。
これまでの組織マネジメントでは、仕事なのだから割り切って合理的に判断しなければならないという「ドライ」な側面が求められてきたため、「あなたが必要である!」というような「感情」の側面を表に出しにくい環境にあります。しかし、人間は感情に引きずられる生き物なので、仕事だからといってドライになりきれるわけではありません。感情の重要性は誰もが感じているはずです。
そしてこの感情は、論理的に唯一の正解を導き出せるものではないので、各自が主観的な想像のもと「思い込みによる誤解」などを伴いながらネガティブな方向に流されることがあります。
では、感情を表に出しにくい現在の組織環境において、どのようにすれば思い込みによる誤解を解消できるのでしょうか。ここでは1つの手段として「感謝・称賛の活用」を提案します。
感謝・称賛は誰にでも出来るシンプルな方法ですが、「する側」「される側」の双方にとって大きな価値があります。相手から感謝・称賛されることで自分の行動に自信が持てるようになるだけでなく、自分からも感謝・称賛することで、「周りと自分」という視点から自己理解を深め、より深く自身の強みを知ることができます。また相手のことを考えていると、「相手の良いところを見つけてあげたい」という気持ちが生まれ、仕事を通じて「他の人のためになることをしたい」とか「誰かを助けたい、誰かに良い影響を与えたい」という利他的モチベーションが高くなります。
このような効果が見込まれる感謝・称賛ですが、「明日から全員で感謝・称賛し合いましょう」と宣言しただけでは何も変わらないので、デジタル称賛カードを贈り合えるサービス(PRAISE CARD)を活用した「思い込みによる誤解の解消法」をご紹介します。
図2:PRAISE CARDを活用した称賛カードの贈り合い
①称賛カードであれば、自分の感情を相手に伝えやすい
思い込みによる誤解を解消するには自分のポジティブな感情を相手に伝えることが得策ですが、「ドライ」な側面が求められてきた組織ではハードルが高い施策かもしれません。「あなたをリスペクトしています」「あなたはグッドパートナーです」などは恥ずかしくて面と向かっては言いづらいですが、あらかじめ称賛カードとして用意されていれば躊躇なく適切なタイミングで贈れるのではないでしょうか? 相手にプレゼントを贈る感覚に近いかもしれません。
②称賛カードが贈られてきたという事実は、誤解のしようがない
相手がわざわざ称賛カードを贈ってくれたということは、間違いなく「あなたに感謝・称賛を伝えたいから」であり、そこに誤解の余地はありません。しかも「称賛カード=ポジティブフィードバック」ですから、言葉の行間を読んだネガティブな解釈も生まれません。
若手社員が「会社や上司、同僚から必要とされていない」と自分で思い込んでいたとしても、上司や同僚から「あなたのお陰でうまくいきました!」といった称賛カードが届いたら、思い込みによる誤解だったと気付くことでしょう。
③称賛しようと思うと「相手の良いところ」に意識が向かう
相手を称賛するには、相手のいいところを見つける必要があるので、自然と相手の視点に立った思考になります。これにより、自分中心の考え方から視点が外れて、思い込みによる誤解が生まれにくくなります。
「人と人とのつながり」に関してありがちな課題感をいつくか見てきましたが、「思い込みによる誤解」は実際に起きていないことで悩んでいるという意味で非常にもったいないですし、誤解が解消されれば一気に前進できるという特徴があります。そして誤解を解消する効果的な手段の1つが「感謝・称賛」であり、PRAISE CARDのようなツールの力を借りれば、比較的簡単に実践することが可能です。
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