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企業や組織をより強くするための3つの資本

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カテゴリ:
  • 人材育成
  • 組織マネジメント

昨今、人的資本経営に注目が集まっていますが、本コラムでは、人的資本以外で企業や組織にとって大切な資本を紹介するとともに、コラム「人材開発、組織開発、理念浸透の関係性」で扱った、「人材開発」「組織開発」との関係についても触れたいと思います。

 

1.企業や組織にとって大切な3つ資本

企業や組織をより強くするためには、「人的資本」だけでなく、「社会関係資本」と「心理的資本」も大切な資本となります。

図1:3つの資本の概要

まずは人的資本ですが、知識、スキル、能力、その他の特性と呼ばれるものが伝統的で、個人レベル(=ある従業員の能力)と企業レベル(=能力ある従業員の多さ)の2つの側面があります。

次に社会関係資本と心理的資本ですが、どちらも人的資本を高めるための土台ともいえる資本で、社会関係資本はその名のとおり、人と人との関係性に着目し、こちらも個人レベル(=個人が持つつながりや信頼関係)と企業レベル(=組織としての人的ネットワークやつながりの良好さ)があります。一般的に組織のコミュニケーションを活性化しよう!という取り組みは、社会関係資本を高める施策といえます。

心理的資本は、希望、自己効力感、レジリエンス(回復力)、楽観主義と呼ばれるものが一般的で、個人の意識や姿勢に紐づくため、企業レベルではなく個人レベルで捉えます。

 

2.人材開発アプローチと組織開発アプローチ

図2は、コラム「人事部門/経営企画部門の関心事」で扱った、「人材開発」「組織開発」のアプローチの関係性を表しています。

図2:組織開発アプローチと人材開発アプローチの関係性

 

図2は、大きく上半分と下半分に分かれています。

上半分は氷山モデルを表しており、個人の価値観→思考→行動→スキルを扱っているので、人材開発アプローチと言えます。そして、図中B(価値観→思考)は、「ある従業員の意識・姿勢」に該当するため、図1にある「心理的資本(個人レベル)」としています。図中Cは「ある従業員が持つつながり、信頼関係」を活かして行動するため、該当する資本は社会関係資本(個人レベル)としています。

次に下半分(図中A)ですが、個人の氷山モデルの土台となるという位置づけです。個人が活躍できる舞台がそもそもなければ、氷山がぐらついてしまうイメージで、この舞台には「企業・組織全体で見た際の、ネットワークやつながりの良好さ」が求められるので、図1の「社会的資本(企業レベル)」に該当します。そしてこの社会的資本(企業レベル)を高める活動は、組織開発アプローチであると言えます。

更に、図2の各資本が矢印でつながっていますが、これは資本が循環することを意味しています。Aの企業レベルの社会関係資本を(土台として)使って、Bの個人レベルの心理的資本を高めてチャレンジする気持ちを醸成し、Cで実際に行動することで他者との信頼関係が強くなり、これがAの企業レベルの社会関係資本(企業・組織全体で見た際の、ネットワークやつながりの良好さ)を増強させるという循環です。

ここまで人材開発アプローチと組織アプローチについて、その関係性を含めて説明してきましたが、ここからは、どのようにPRAISE CARDが価値提供するかについてご紹介します。PRAISE CARDはパソコンやスマートフォンを活用し、オンライン上でデジタル称賛カードを贈り合えるサービスです。

 

図3:組織開発アプローチと人材開発アプローチにおけるPRAISE CARDの提供価値

 

図中AにおけるPRAISE CARDの提供価値は、称賛カードを贈り合うことで、縦横斜めの関係性を作ると同時に、感謝・称賛という感情を職場において共有することで、仕事上のドライな関係ではなく、飲み会の後のようなウェットな関係(心のつながり)を構築できることです。人間は感情に引きずられる生き物です。仕事だからといって急にドライになれるわけではありません。

BにおけるPRAISE CARDの提供価値は、2つあります。1つ目は、称賛カードを貰うことで自身の強みや貢献度に気付き、自信、前向きさ、粘り強さが向上し、前向きにイキイキと働けるようになることです。他者からの感謝・称賛によって背中を押されて、一歩踏み出す勇気が湧いてきます。2つ目は、称賛カードを贈ることで、自身の価値観に気付き、内省が深まります。学術的にも、自身が多く贈ったカードは、自身が大切にしている価値観に近いことが分かっています。このように内省が進むことに加えて、称賛カードを贈る際に相手を意識することで、他者の価値観への理解も深まることも期待できます。

Cでの提供価値は、A、BでPRAISE CARDを利用することによって、既に作られています。Aで「仕事で感情が共有できる」ようになり、Bで「内省が進み、前向きにイキイキと働ける」ようになることで、後はチャンスさえ与えれば自発的にチャレンジ行動できる(越境行動ready)状態になるからです。

以上のようにPRAISE CARDは、組織開発アプローチと人材開発アプローチを両側面から支援することで「信頼のつながり・コミュニティの強化」「個の尊重と自律促進」を促します。

 

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