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人材開発、組織開発、理念浸透の関係性

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カテゴリ:
  • 人材育成
  • 理念浸透
  • 組織マネジメント

人事部や経営企画部の方と会話していると、人事部としては「人材開発」「組織開発」、経営企画部としては「理念浸透」が大きな関心事としてよく挙げられます。
ここでは、3つの関心事を以下のように定義します。

■人材開発=「個」を強くするアプローチ
例: 従業員のエンゲージメント向上、キャリア開発、(個の尊重という観点での)ダイバーシティ推進、働き方改革

■組織開発=個同士の「つながり」や、「組織」を強くするアプローチ
例: 社内コミュニケーションの促進、チームワーク向上、オンボーディングによる対人関係構築

■理念浸透=理念・カルチャーの浸透と定着
トップダウン/ボトムアップによるパーパス浸透と対話を促す。理念に即した行動を称賛し合うことで、曖昧なカルチャーを日常の仕事生活・営みの中に埋め込む。

 

1.人材開発、組織開発、理念浸透の関係性

これらの3つの関心事の関係性を考えるにあたり、以下のようなベン図で整理してみます。

 

図1:3つの関心事の関係性

 

それぞれの丸の中には、理想の状態を記述しています。
例:人材開発(=「個」を強くするアプローチ)
理想の状態:自身の強みや貢献度に気付き、自信、前向きさ、粘り強さが向上した状態
丸の重なり部分について見ていくと、ここにも注目度の高いキーワードがマップされてきます。

■D&I(人材開発と組織開発の重なり部分)

「(人材開発)自身の強みや貢献度に気付き、自信を持って“自分らしさ”を出すこと」と「(組織開発)縦横斜めの繋がりによる“仲間として受け容れる”環境が整っていること」によって、「インクルージョン=自分らしさ×仲間として受け容れる」が実現する。

■働きがい(人材開発と理念浸透の重なり部分)

「(理念浸透)パーパス/ビジョンで示された方向性に共感していること」と「(人材開発)自信を持って前向きに取り組んでいること」によって、企業・組織のゴールと日常の仕事が連動し、目的が明確になり、働きがい(イキイキ度)が高まる。

■自走する組織(組織開発と理念浸透の重なり部分)

「(理念浸透)パーパス/ビジョンで示された方向性に共感していること」と「(組織開発)組織内が信頼でつながっており、チャレンジしやすい環境が整っていること」によって、パーパス/ビジョンの実現に向けて、自組織で考えたことをトライ&エラーを繰り返しながら主体的に進めるようになる。

 

2.PRAISE CARDの提供価値

PRAISE CARDは、感謝・称賛を贈り合うことで、D&I、働きがい、自走する組織の実現に必須となる、「個を強くする」「個同士のつながりや組織を強くする」「理念・カルチャーの浸透と定着」を図るソリューションです。パソコンやスマートフォンを活用し、オンライン上で感謝・称賛に関するデジタルカードを贈り合うことができます。
「強い組織」を作ることを目指して、企業では様々な施策が日々実施されています。それを大別したものが前掲の「人材開発」「組織開発」「理念浸透」の3つから成るベン図です(図1)。しかし多くの場合、これらの3つの領域に属する施策は、ときにいずれかが欠けることや、バラバラに実施されてしまうこともあります。たとえば、近年の「人的資本経営」の根底にある「組織を強くする」という考え方は、本来はこれら3つの領域が合わさって輝きを増す考え方であり、「強い個人を揃える」だけでも、「強いつながりを作る」だけでも、「はっきりとした理念を作る」だけでも、十分に目的を達成できないのではないでしょうか。あるいは、経営層や人事部としてはそれらが3つとも充実している、または連動していると考えていたとしても、現場にはそれが伝わっていないケースもありうると考えています。

こうした問題意識に対して、PRAISE CARDは「感謝と称賛」を軸に3つの領域を同時に開拓する、あるいは3つの領域に属する既存の取り組みを「感謝と称賛による組織マネジメント」として統合することで、価値提供を実現できる仕組みを構築しています。

【理念浸透について(図1の右下)】

PRAISE CARDでは、カードの券名を導入企業側で設定可能で、企業によっては組織カルチャーに沿った券名を導入するケースもあります。この仕掛けによって、日々の業務の中で「組織カルチャーに沿った行動」を称賛する・されることにより、日々カルチャーを意識する機会が生まれ、自然な浸透につながります。

ただし、さらにいえば、経営層や人事部が想定している通りに利用されるとは限らず、「浸透しやすい(カード利用が進む)価値観」と「浸透しづらい(カード利用が進みにくい)価値観」に分かれることも、過去の導入企業ではありました。このように、浸透の実態把握も容易になります。その際には、「どのような行動を表す価値観なのか」の共通理解を作り上げるなど、組織カルチャーの浸透に向けた施策と効果検証を並走するためにPRAISE CARDを使用することもできます。

【人材開発について(図1の左下)】

称賛や感謝をカードで伝えあうことで、あるいはそれを起点に「自分の強みは何だろうか?」ということを内省することで、多様な個性や強みの尊重のほか、仕事のやりがい向上につなげることも可能です(左下領域:改善の意義)。人は自分一人では強みや得意な点に気づくことは難しく、また適切な自信ややりがいにつなげることも難しいといわれています。その点で、称賛や感謝というポジティブ・フィードバックを適切に運用することで、エンゲージメント向上などにもつなげることができると考えられます。さらに、単に感謝や称賛を伝えるだけでなく、経営理念に沿った形で運用が可能な点で、PRAISE CARDの仕組みは「理念浸透」と「人材開発」を連動して推進することが可能になります。

【組織開発について(図1の上段)】

称賛や感謝を「個人がもらう」だけでなく、「組織や職場で交し合う(利用・流通を促す)」ことで、「強い個人」を実現するだけでなく、「強いつながり」を実現することも可能になります(上段領域:改善の意義)。元々、称賛や感謝は複数人の人同士で行われる行為で、従って信頼関係や相互の助け合いなど、「つながり」を強くする作用があると学術研究では明らかになっています。これは職場でも同様であると考えられ、「称賛や感謝を交し合うチーム」の方が、「称賛や感謝を交わす機会が少ないチーム」よりも、チームワークが良くなる傾向がPRAISE CARDの過去の利用データの分析からも示されています。このようにして「つながり」を強めるとともに、「今、自組織にはどのようなつながりがあるか」をネットワーク分析を通じて可視化できる点にも、感謝と称賛の取り組みをデジタルツールを用いて行う意義があると考えられます(可視化の意義)。

 

図2:ネットワーク図によるコミュニケーション可視化の例

 

感謝と称賛による組織マネジメントに向けて

以上のように、PRAISE CARDをはじめとする感謝と称賛の組織マネジメントへの活用は、①それ自体が3つの領域のすべてを網羅しやすい施策であるほか、②既存の組織施策と容易に組み合わせられるという点も、強みであると考えられます。

ご興味をお持ちの方は、ぜひこちらよりお問合せください。