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強い組織の特徴「自走する人材」を増やす 成功循環モデルとは?

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カテゴリ:
  • 人材育成
  • 組織マネジメント

成功循環モデルとは

成功循環モデルは、「MIT組織学習センター共同創始者のダニエル・キム氏」によって、提唱された組織の成長モデルです。成果を生み出し続ける強い組織を作るには最初から結果を求めるのではなく、「関係の質→思考の質→行動の質→結果の質」という順番で段階的に向上させていくことが重要であり、この連鎖は一方向ではなく、結果の質が向上すると更に関係の質が向上し、というように循環が続いていくという考え方です。

 

 

以降では、各段階の特徴を順番にご説明します。

 

関係の質

成功循環モデルの起点となるのが「関係の質」であり、会話や交流を通じてコミュニケーションの密度を高め、仲間意識や一体感、援助、協力といった気持ちを醸成するフェーズとなります。成功循環モデルを回すための下地作り(場を温める)とも言え、このフェーズを疎かにすると「思考の質→行動の質」という成功循環を生み出すことは困難になります。
また、「関係の質」ではなく「結果の質」を起点にすると、数字目標(結果の質)に拘るがあまり、チーム内で対立・摩擦が生まれ、他責が横行しといった、失敗の循環に陥る危険性があります。
「急がば回れ」の諺の通り、しっかりと関係の質を向上させることが成功循環の出発点となります。

 

思考の質

「関係の質」の向上により対話や交流が増えると、チーム内のコミュニケーション密度が高まると同時に、これまで接点が少なかった人やチームとの会話が増えてくる。
これにより自分と異なる視点や価値観、考え方といった“遠い知”に触れる機会が増え、自身の考え方とのギャップが何故生じているのか、これまで近視眼的なものの見方しかできていなかったのではないか、というような深い思考(内省)が生まれ始める。
これは社会学者のマーク・グラノヴェッター氏が1973年に提唱した“The Strength of Weak Ties”(弱い紐帯の強み)という考え方にも通ずる。「弱い紐帯の強み」とは、強いつながり(例えば、いつものチーム)からの情報は大抵予想されるものであるが、弱いつながり(例えば、これまで接点が少なかったチーム)からの情報は自分が気付かなかった新たな発見を与えてくれる、という考え方です。

 

行動の質

「思考の質」が向上すると、同質化された思考から解き放たれたことで発見した新たなアイデアを実践してみようと、具体的な行動が始まる。そしてこの「行動の質」をより向上させるには、①オーナーシップを持つ、②行動できる場やチャンスを与える、の2点が重要となります。
まず「①オーナーシップを持つ」とは、思考の質を向上させる過程で、自分と異なる視点や価値観、考え方といった“遠い知”に触れ、自分自身の価値観を見つめ直す(内省する)ことで、自分のすべきこと(やりたいこと)の明確化、自分ゴト化が進むと同義です。やらされ感ではなく、如何に自分ゴト化されているかが、行動の質に大きな影響を与えます。
次に「②行動できる場、チャンスを与える」についてあまり説明は不要かと思いますが、内省によってオーナーシップを持ったとしても実践する場がなければ熱量は次第に冷めてしまうので、タイミングを意識した場の提供は「①オーナーシップを持つ」と合わせて、行動の質を向上させるための両輪と言えます。

 

結果の質

「結果の質」の向上は、「関係→思考→行動の質」の向上によって成されるため、結果の質だけを向上させるという考え方はありません。会話や交流を通じてコミュニケーションの密度を高め(関係の質)、自分と異なる価値観や考え方に触れることで内省が進み自分ゴト化でき(思考の質)、オーナーシップを持ってチャレンジし続ける(行動の質)ことで、ありたい姿として設定した結果に近づくことができます。
この成功体験によって自分たちに取組みは間違っていなかったと自信を持つことができ、更にコミュニケーションを増やし、対話し、オーナーシップを持ってチャレンジするという成功の連鎖が循環するのである。これこそが成功循環モデルの特徴と言えます。

 

成功循環モデルの実践

成功循環モデルは、成果を生み出し続ける強い組織を作るための有益なフレームワークですが、実戦での適用方法が分からず、宝の持ち腐れになってしまうケースが見受けられます。
PRAISE CARDはこの成功循環モデルに沿って、各段階を可視化し、無理なく運用していきながら「結果の質」につなげていくことを目的に開発されたツールです。

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