称賛し合うことで互いの関係性が見えてくる。深い関係性が、成長の好循環を育む土台づくりに。
- 会社名 :BIPROGY株式会社
- 従業員数:約8,000名
- 事業内容:ITサービス業
1958年に設立されたBIPROGY株式会社は、ITソリューション、アウトソーシングサービス、サポートサービスおよびシステム関連サービスの提供などを通して、企業および社会のDXを推進してきたITサービス企業です。
PRAISECARDの開発会社でもありますが、社内のエンゲージメントを向上させ、組織力を強化することを目的に、PRAISE CARDを各部署へ導入。PRAISE CARDをどのように活用し、どのような成果が得られているのか。PRAISE CARDの導入を推進し、社内でもPRAISE CARDの利用率が高いというDXBインキュベーション部の方々にお話をうかがいました。
エンゲージメントを向上させるために、
社員が自発的に使えるツールを導入したい
――PRAISE CARD導入前に抱えていた課題を教えてください
金子:弊社は2012年に大日本印刷株式会社(DNP)と業務資本提携を行っています。私たちDXBインキュベーション部の部署名についているDXBは、お互いの強みを活かして連携し、DNPおよびBIPROGYのDXを推進していくという重要なミッションを表していて、DNP側のDXテーマや、私たちとの協同事業テーマの深掘りなどを担っています。まずはDNPのDXを軸とした事業変革をサポートし、これをリファレンスモデルとしてグループに展開し、さらにはお客様へとつないでいくことが目標です。
両社のコミュニケーションを深めるため、また当部ミッション遂行の下支えとして、社内のエンゲージメントの向上は必須で、経年的に実施される各種意識調査の結果を注視してきました。
しかしコロナ禍でハイブリッドワークが実施され、顔と顔を合わせたコミュニケーションの機会が減り、マネジメント面での課題も増えました。1on1に取り組んだりもしたのですが、それとは別に自発的に使える仕組みを導入しようと検討が始まりました。
成長の好循環が生まれるというコンセプトに
自社が目指す世界観に近いと感じたことが決め手に
――そうした課題を踏まえて、カードを導入した一番の決め手は何でしょうか
金子:PRAISE CARDのコンセプトが称賛し合うことで互いの関係性を深め、行動させ、成長の好循環につなげていくものだと聞いて、弊社が目指している世界観と近いと思いました。好循環が生まれてくると、自発的な目標設定や、モチベーション維持、マインドセットといったキャリア形成にも良い影響が出るのではと考え、まずはやってみようと思いました。
夏目:第一印象は、称賛を贈るだけで簡単に使えるなと思いました。仕事には人の目に触れやすいものと、誰かがやってくれないと困るけれどその仕事が人目に触れにくいものがありますよね。頑張っているのに評価されないなんてこともある訳で、それがわだかまりを生むようなこともある訳です。PRAISE CARDが多少なりともわだかまりを解消し、本人のモチベーションを上げるきっかけになればと期待しました。
自分なりの使い方で、まずは気軽に感謝から。
カードで感謝や称賛を伝えることの価値を実感
――PRAISE CARDをどのように使っていますか。工夫されている使い方があれば教えてください。
夏目:私は特に自分にはないような発想やアイデアを考えてくれた人に贈っています。コロナ禍でテレワークが増え、コミュニケーションが取りづらい中で仕事をしていることもあり、メールでも電話でもなくカードを贈るということに価値を感じています。
川田:PRAISE CARDは称賛し合うためのものだと思いますが、実際には称賛よりも感謝の意味で使う場合が多かったです。デフォルトとして登録されているカードがいくつかありますが、どのカードを贈るのがいいのか、最初はカードの選び方が難しかったです。特に相手が上長の場合、カードの言葉によっては上から目線のように感じられのではと、称賛カードを贈ること自体を躊躇する人もいました。そんな時は、「シンプルに “ありがとう”でいいのでは?」と、難しく考え過ぎないよう呼びかけました。
張田:私も「いい仕事したね」「Good job!」といった称賛よりも、感謝が多いです。「ありがとう」と言われるのは、メールでも口頭でも同じなのにカードだとなぜか嬉しい。子どもの頃に集めていた仮面ライダーカードのような感覚。なぜか集めたくなる魅力があります。
秋岡:私も一番使うのは感謝ですね。メールの場合は同じ文章をコピペしてぱっと送信することもできますが、贈る相手を選んだり、カードを選んだり、メッセージをひと言添えるという手間が、PRAISE CARDの魅力だと思います。
張田:通常業務に対して「ありがとう」と言うべきなのか、通常業務にはカードを使うまででもないのか、その判断基準が難しいと思ったので、私はイレギュラーな仕事で、「ちょっとこれ手伝ってくれる?」とお願いをした時には積極的に使うようにしています。
金子:余裕のあるときは業務が終わったらすぐに贈りますが、忙しさにかまけてつい忘れてしまい、贈るタイミングを逃したとモヤモヤすることがあります。皆さんはどうですか。
秋岡:私は業務が一区切りして、振り返りをしたタイミングなどに贈ることもあります。贈られた側は、「あの時のことを思い出してくれた」と、また違う喜びがあると思いますよ。
PRAISE CARDにはメールとは違う嬉しさがある。
カードがつなぐ信頼関係、モチベーションアップにも
――導入によって何か変化を感じていますか。その変化とは具体的にどのようなことでしょうか
川田:正直に言うと、ポジティブな面とネガティブな面の両方あります。ポジティブな面は、感謝や称賛の気持ちを気軽に伝えられることです。カードを贈った相手は喜んでくれるだろうし、もちろん自分が贈ってもらえたら嬉しくなります。ネガティブな面は、何か他の人に貢献する仕事をしたときに、カードを贈ってくれない相手に対してマイナスの印象が生じることです。感謝や称賛のカードを報酬として期待してしまう気持ちも生まれるのかなと思いました。
金子:カードが届くのは、PRAISE CARDを導入する前に想像していたよりも、はるかに嬉しいものでした。だから期待もしてしまいますね。私は贈ってくれた人に今まで以上の感謝を抱けるようになりました。贈ってもらったお礼というわけじゃないけれど、わざわざ贈ってくれたことに応えられるように、自発的にもっと何かしたいと思えるようになりました。
張田:カードを贈ることで、贈る側と贈られる側の関係性の確認ができるようになりました。特にテレワークが増えてから、顔を合わせて仕事をする機会が減ったなかで、相手が、自分のことをどう思っているのと気になることがあります。カードが贈られてくると、私のことを認めてもらえていると実感でき、信頼関係が深まっていく。最初はカードで何が変わるのかなと思っていましたが、カードにはカードの嬉しさがあるんですね、不思議ですが。
秋岡:「ありがとうございました」と1行書かれたメールが届くよりも、カードは特別感があります。メールで済むところを一手間かけてカードを贈ってくれたことが嬉しいんでしょうね。
夏目:自分にとっては、さほど大変ではなかったことに対してカードが届くと、そんなに感謝してもらえるなら、もっと役に立ちたいという気持ちが芽生えます。人をやる気にさせる効果がありますね。
金子:本来であれば、推進側が利用状況のログを分析したりして、もっと使ってもらうように働きかけるべきかもしれませんが、私は使ってくださいとお伝えしただけ。それなのにおもしろいと感じた人が独自に工夫しながら使っています。DXBインキュベーション部はエルダー社員が多くて、アプリケーションなど新しいものの導入に少し抵抗感がある人もいますが、抵抗なく使われています。PRAISE CARDは自発性を生むツールで、楽しいとか嬉しいという気持ちが自走につながっていると感じています。
PRAISE CARDは成長の好循環を生むもの。
真の使い方を理解してもらうことが大事
――今後取り組みたいことや、活用促進における課題と感じていることはありますか
金子:私たちの部署は社内でも利用頻度が高い部署だそうですが、それでも利用頻度の高い人と低い人に分かれます。利用頻度の低い人に対して、使い方を指導するのではなく、このカードの本質的なところ。つまりなぜ私たちは称賛を贈り合うのかという部分を伝えなければ利用頻度は伸びないでしょう。
互いに称賛し合うこと。そして称賛を受けて自信をつけ、前向きな行動を増やしていき、組織内に成長の好循環を生むというPRAISE CARDの本来のコンセプトに到達するには、道半ばというところです。組織を強化していきたい時に、そのコンセプトを社内に浸透させるためには使いやすいツールだと理解しているので、次のステップに行けるよう推進側として取り組みたいです。
夏目:エンゲージメントサーベイに象徴されるような会社や社員同士のつながりの強さや満足度といったところに結びつけていくためには、もう一つ工夫が必要だと思っています。私も推進側の人間として課題として捉え、改善していきたいです。
川田:PRAISE CARDは、称賛することで誰かの背中を押すことができます。ではなぜ背中を押す必要があるのかというと、新たな行動を起こすことは、とても勇気が必要だからなんですよね。なので、実際に行動を起こした人の勇気を称賛したいし、さらに勇気をもって挑戦を続けてほしいいから称賛する。現段階ではまだ儀礼的な使い方にとどまっています。これが儀礼的ではなく、本当に勇気を後押しできるようなものになれば、会社の変革につながるはずです。
秋岡:社内で1,000名以上が登録しているものの、私が使っている範囲はほぼ部署内です。もちろん他部署ともやり取りはありますが、その人がどんな性格なのかを理解していない場合、急にカードが届いて「何なんだ?」と思われるかもしれないなと考えてしまって、贈ることをためらうことがあります。けれどためらっていると閉じたツールで終わってしまうので、心理的ハードルを下げられる工夫があればいいですね。
多様性の高い企業の中に、共通語を生み出し
関係性を構築していけるサービス
――導入を検討される企業や、社内のチームワークづくりなど課題感のある企業の皆様に、アドバイスできることがあればお願いします
夏目:昨今では、オフライン・オンラインに関係なくお互いを称賛する機会は薄れてきています。人と人とが交流する、ごく基本的な関係性の構築に役立つツールだと思います。導入してプラスになることはあっても、マイナスになることはないので、こうしたツールを使って称賛から生まれる関係性の構築に力を入れたい企業は、検討されるといいのではないでしょうか。
張田:どんな企業でも使えると思いますが、導入が効果的だと思うのは多様性に富んだ部署や組織だと思います。年齢、性別や人種というだけでなく、例えばSEがいたり、営業がいたり、技術がいたりと同じ仕事をしていない人が集まっていて、互いに異なる価値観や主義・主張があるという関係性のなかにPRAISE CARDを投入すると、共通語を生み出すことができます。お互いを理解する、そんなツールとしても役だってくれるはずです。
秋岡:私たちの仕事ではグループ企業やパートナー企業との連携がたくさんあります。セキュリティーの面など課題があることも理解していますが、社内だけでなく社外のメンバーともカードを贈り合うことができたらと思っています。
先方の仕事ぶりに対して素晴らしいと感じた時に、カードを使って称賛できたら関係性が深まると思います。そんな可能性を十分に秘めているツールなので、おもしろいという感覚からでいいので、まずは使ってみてください。期待以上の何かが起こるかもしれません。
BIPROGY株式会社 HP
https://www.biprogy.com/